小野八幡神社の由来
当社の祭神は応神天皇。仁和三年の創祀。寛平年間には神前に生ずる七草を採って宮中に献上していた。
この地は古来月見の名所として知られ、幾多の大宮人らが足をとどめて、月を眺め、草を摘んで遊んだことが、千載集・夫木集・新古今和歌集などの和歌集に見られる。
近くは明治維新の頃、勝海舟がこの地(当時は神戸村小野浜)に神戸海軍操練所を開設し、海外発展と旧日本海軍創設の基礎を作ったことで知られている。現在附近(旧商工会議所前)に「史蹟旧海軍操練所跡」の碑が建っている。
当社には武将に関する史実が多く伝わっているが、特に江戸時代、讃岐高松城主松平頼常が江戸への参勤交代の途中に、当社に参拝して道中の無事安全を祈願し、予定通り江戸に着き、大任を果たし終えた後に、感謝をあらわして当社に寄せた書状一葉が社宝として残っている。
またこの霊験顕著な故事が広く知られ、現在では厄除・交通安全の特殊信仰をあつめている。